□■□ 大晦日イブ □■□    ミスフル  犬猿





 始めはスゲー気に食わない奴だと思っていたんだよな。

 顔を合わせるたびに喧嘩してさ。

 意地っ張りで、負けず嫌いで(俺も人のこと言えないけど)、何考えてるか判んねーし、超根暗で超引きこもり、なのに女にはもてる。

 ・・・焦げてるのに。


 ・・・止めた。有りすぎて纏まんねぇ。

 まぁともかく絶対こんな奴と仲良くなんかなれないと思ってたんだけどな〜。




「・・・・・、・・・・い、おい、猿野!!」

「・・・・・・・・んあ?」

「起きろ。もう終わったから、とりあえず」

 揺り起こされて目を開くとそこには犬飼の顔があった。

「犬飼〜〜〜〜・・・・・・ん〜」

 寝ぼけ眼のまま近くにある犬飼の顔を引き寄せキスをする。

「・・・・・・////」

 その顔は凄い勢いで引き剥がされた。

「あはははは〜、へんなか・・・っ!ん、ん〜っ」

 変な顔〜という猿野の言葉は犬飼のキスによってさえぎられた。

 先ほどの寝惚けた上での猿野のキスとは違う深いものである。

 さっきまで寝惚けていた猿野も流石にそれには目がバッチリ覚めた。



「気がすんだか?エロ猿」

 目の前の犬飼は真っ赤になった猿野を見て面白そうに笑っている。

「寝起きの俺様にあんなのかましたテメーが言うな!こっの、発情期犬!!」

「お前が最初に仕掛けてきたんだろうが」

「うっ!・・・・・・お前が俺待たせるから眠くなっちゃったんだろ〜」

「お前が予告もなしに来るのが悪い」

 大晦日も翌日に迫った今日、猿野はとある目的のために犬飼宅を訪れていた。

「仕方ないだろ。急に会いたくなったんだから。まさか今大掃除してるとは思わなかったんだよ」

 しかし来てみれば犬飼は大掃除の真っ最中で。

 仕方ないので一番邪魔にならないベッドの上で様子を見ていたらいつの間にか寝てしまっていたというわけなのだが。

「・・・・・・アホか///」

 会いたかったなどとあまりに自分に素直な猿野に犬飼のほうは照れている様子。

 そんな事は我関せずで猿野は綺麗になった部屋を見まわしてから目的を遂行するために犬飼に向かって殊更笑顔で話しかけた。

「そうだ犬ッコロ、うちの親年明けまで留守なんだよ。遊びに来ねぇ?」

「は?!・・・・・・・」

 なにか色々迷っているらしい犬飼。

 彼の中では色々大変なことになっているようだ。

 まぁ少し悩んだようだが返事は当然否ではなく・・・。

 それを聞いて猿野はとっても嬉しそうに

「これで大掃除楽に終わるぜ!」

「自分でやれ!っていうかまだやってなかったのか、人のこと言えねーじゃねーかノロ猿!」

 それを聞いて無駄に有意義な想像をしていた分犬飼は猿野を怒った。

 しかし猿野は自分の考えどおりにことが運んだのが嬉しいのかその犬飼の言葉もさらっと流し、満面の笑顔でいった。

「いいじゃねーか。その後二人で年越しうどんでも食おうぜ」

 素直に返されたらそれ以上怒るのも馬鹿らしくなった犬飼は顔を背けつつとりあえず突っ込みを入れる。

「年越しならそばだろうが、バカ猿」

「いいんだよ。俺は太く長く生きんの。それにうどんのが好きだし〜♪」



 そんで初日の出も一緒に見て初詣にも行って・・・・・・。





 絶対に仲良くなれないと思っていた犬飼とは今、何を間違ったのか年越しを仲良く(?)一緒に過ごす程の仲にまでなってマス。





−END−











[コメント]


因みにこれがネット初作品です☆

でもこの頃のほうがまだ話に道筋があるような気がするのはなぜ???



成長してないって事?!!(Σガガン)←むしろ退化






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