□■□  □■□    アイシールド21  進→セナ





 ユニフォーム越しでさえもわかる細い身体に細い手足、抱えあげた少年のそれらは


 どう考えてもアメフトを・・・スポーツをしてきた者の物とは思えないのに・・・



 この腕をも擦りぬけていったあの疾い脚


 あの細い足で地を踏みしめ、風のようにこの手をすり抜けていったその身体


 壊れたビデオの再生シーンのようにゆっくりとどんどん離れていく小さな背中




 目を瞑れば容易に浮かんでくるその姿




 忘れられない








 これ程人に執着などした事がなかった


 こんなにも人を気にしてペースを崩すことなどありえなかった


 もう一度会いたい・・・などと他のものに思うことなどなかった。


 練習だと自分に言い聞かせ、彼の学校の近くまで走る距離を伸ばして




 ・・・彼に会った



 正体を言い当てたら驚いていた

 まるで小動物のようにビクビクしていて・・・



 アイシールド越しでは見えなかった彼の表情を知った



 もう一度会えれば静まると思っていた気持ちは静まらなかった

 静まるどころかもっと話してみたいとさえ思った



 さらに、彼が同じ高校生とは思えないほど細く軽かったとはいえ


 傷つけたくないと、守ってやりたいなどと思ったことは過去一度としてなかったというのに。


 俺は何かの病にでもかかってしまったのか・・・・?





 (・・・どうかしている。これが病な筈がないではないか。


 こんなわけのわからない感情に揺さぶられるなど、修行が足りていないだけだ、心に隙があるのだ。)






 しかし進はその感情が医者ですら手を上げてしまう類の一種の病であることにまだ気づいていない。









[コメント]


 はい、初アイシーSSでございます。いかがでしたでしょうか。
 SSというよりどちらかと言えば詩に近いですね。
 進の一人語り・・・しかもまだ恋心に気づいてない段階。







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